営業の悪いイメージとして、「しつこい」「無理やり押し売りされる」があります。
しかし実は、営業とはあっさりと引いてはしつこく再アプローチする。
一見矛盾するようですが、これが実際の現場で効く大きなポイントです。
今回は「営業のスタンスはあっさりとしつこく」をテーマに、具体的なコツや考え方をご紹介します。
なぜ営業は「しつこい」というイメージを持たれるのか
営業職は、しばしば「しつこい」と思われがちです。
これは、相手が明確に断っているにもかかわらず、同じ提案を繰り返し続けるから。
「要らない」と言っているのに、延々と押し売りをしてきたら、誰だってうんざりしてしまいます。
この「しつこい」の本質は、相手の「都合」「ニーズ」「タイミング」を無視した押し売りにあります。
提案が上手な営業は、決して相手に不快感を与える意味での「しつこさ」を発揮しているわけではありません。
できる営業は「あっさりとしつこく」
提案が上手な営業は、「あっさり」していながら「しつこさ」も合わせ持っています。
これは言い換えると、一度断られたら潔く引いて、また新たな切り口で提案するという姿勢のことです。
1回の提案が断られたからと言って、その場でしつこく粘るのではありません。
あっさりと退くことで、相手も「理解があるな」「話が分かるな」という印象を持っていただけます。
そしてしばらく時間が経った後、あるいは状況が変わった時に、以前とは違うアプローチで再提案をするのです。
一度断られた後のポイントは「別の提案をする」こと
同じアプローチを短い期間で繰り返すと、「しつこい」という印象を強めます。
別の角度から、新しい提案 を行うことで、「前とは違う内容なら聞いてみようかな」という興味を引き出せます。
- 例えば、商品Aを断られた場合、すぐにまた商品Aのメリットを押すのではなく、商品Bや関連する別のサービスを紹介する。
- 同じ商品Aを提案する場合でも、「違う商品とのパッケージ」や「違う活用例」など、新たな切り口を示す。
角度が変わることで、相手も新鮮な情報として受け止めやすくなります。
「しつこい営業」と「提案上手な営業」の違い
しつこい営業ほど、1回の提案・商談に粘りすぎるものです。
面倒くさがって別のアプローチを考えずに、ただ引き下がらずに食い下がろうとする。
このやり方が、相手の疲れや不快感を引き起こします。
営業であるならば、提案に対して貪欲にクリエイティブさを求めるべきです。
提案が上手な営業は、退くタイミングを見極めています。
きちんと相手の意向を尊重したうえで、「またの機会に、別の情報と一緒に提案させていただければと思います」といった形で次につなげる。こうした積み重ねが、長期的な信頼関係と受注のチャンスを作り出していくのです。
「気配り」と「情報提供」を伴うフォローを心かける
アプローチを再開する際は、売り込みに終始しないように、
相手の状況を汲み取った情報提供やサポートを意識してみてください。たとえば、
- 相手にメリットがありそうな新商品やキャンペーンの情報をさらりと知らせる
- 業界動向や同業他社の事例など、相手が必要としそうな知識を提供する
- 「前にご相談いただいた件のその後はどうですか?」「状況お変わりないでしょうか?」と相手に寄り添ったメッセージを送る
こうした“お役立ち”感を伴うフォローは、ただの「しつこい営業」ではなく、
「気遣いのある営業」として受け止められやすくなり、相手との関係をより深めるきっかけにもなります。
まとめ
上手な提案とは、一度断られたらあっさりと引き、時間や状況を置いてしつこく(粘り強く)別の角度から再提案する姿勢です。
断られたからといって、その場で粘り続けるのは逆効果。
相手の立場や状況変化を想定し、適切なタイミングと内容でフォローアップすることが、長期的な成果を生み出します。
相手のタイミングを尊重しつつ、自分の提案の「鮮度」を保った形で改めてアプローチできるのは、営業として大きな強みです。ぜひ、“あっさりとしつこく”を意識して、相手からの信頼感を高めながら成果につなげていきましょう。
以上、「営業は“あっさり”と“しつこく”」でした。