お客様とのやり取りで「回答まで少し時間をいただきたい」と思う場面は営業活動において避けられません。
何も連絡がなく放っておくと、お客様は「どうなっているのだろう…?」と不安になります。
結果として、信頼度が下がってしまう可能性があります。
そこで効果を発揮するのが“こまめな連絡”。
この記事では、営業スキルとして欠かせない「こまめな連絡の技術」について、具体的な事例とともに解説します。
1. なぜ“こまめな連絡”が営業において重要なのか
大前提として、営業という仕事はお客様との信頼関係が欠かせません。
そのうえで大事なポイントとなるのが、進捗や状況を「こまめに共有する」という姿勢です。
- お客様の不安を取り除く
お客様は、「宿題を依頼したのに、今どこまで進んでいるのだろう」「問い合わせたけれど、確認してもらえているのかな?」といった疑問を抱きがちです。こまめに連絡を入れるだけでも「きちんと動いてくれている」という安心感を与えられます。 - イメージダウンを防ぐ
連絡がまったくないまま放置されると、「忘れられているのでは?」「依頼を大事に扱ってくれていないのでは?」という疑念が生まれます。こうした“懐疑的”な状態は、営業にとって避けたいイメージダウンの要因にもなります。
2. こまめな連絡の具体的な実践例
2-1. 宿題をもらってから回答までに時間がかかる場合
- 事例:回答に1週間かかると想定されるとき
1週間後に回答できる見込みでも、3日後・5日後といった中間日に「引き続き回答を作成しております」と簡単な報告を入れます。- 3日後の連絡例:「現在内容を整理しており、〇日には概要をお伝えできる見込みです」
- 5日後の連絡例:「進捗状況を確認し、最終的な調整を行っております。完成次第すぐにご連絡いたします」
時間がかかる場合でも、「依頼された宿題を忘れていません」「期限に向けて動いています」と定期的に伝えましょう。お客様の不安を和らげることができます。
2-2. 確認に時間がかかる質問を受けた場合
- 事例:複数部署への確認が必要で、すぐに答えられないとき
- 初報告:「ご質問ありがとうございます。〇〇部署へ確認し、回答には数日ほどお時間をいただきます」
- 中間報告:「現在、〇〇部署と調整中で、あと△日ほどで回答いたします。しばらくお待ちください」
- 追加報告:「引き続き確認しております。お手数ですが、もう少々お時間をいただけると幸いです」
回答内容をまだ確定できなくても、「いまどんな状況にいるのか」をこまめに共有しましょう。
お客様の安心感は大幅に高まります。
2-3. 緊急の問い合わせがあった場合
- 事例:朝9時に“本日中に回答がほしい”と依頼が来たとき
- お昼前(12時頃):「引き続き準備を進めております。午後〇時頃までにご連絡いたします」
- 午後(15時頃):「あと数時間でまとめられそうです。最終調整を行っており、完了次第すぐに連絡いたします」
すぐに答えられない場合でも、こまめに状況を伝えることで「ちゃんとやってくれている」という印象を与えられます。
3. こまめに連絡するメリット
- 信頼関係が深まる
連絡が早く・丁寧であればあるほど「頼れる」「誠実」という印象を与えやすくなります。 - トラブルの早期発見・対処が可能
問題が起きても、早めに共有していれば軌道修正がしやすくなります。 - ストレスや不安を軽減する
お客様はもちろん、自分自身も「進捗がクリアに見えている」という安心感につながります。
4. こまめな連絡を習慣化するコツ
- スケジュールに“連絡タスク”を組み込む
作業スケジュールの中に、「〇日後に中間報告」といった“連絡の予定”をあらかじめ入れましょう。
抜け漏れを防ぐためにも、タスク管理ツールやカレンダー機能を活用するのがおすすめです。 - 返信のハードルを下げる
こまめに連絡をするためには、定型文やテンプレートを用意しておくとスムーズです。
丁寧な言葉遣いは大切ですが、営業は忙しいのが常。
あまり形式にこだわりすぎず“スピード感”を優先することもポイントとなります。 - 「まだ回答できない」も立派な報告
「回答はまだできません」という進捗報告も、れっきとしたコミュニケーションです。
沈黙せず、「何をいつまでに確認中で、いつまでには回答できる見込みか」を伝えましょう。
5. まとめと追記
こまめな連絡は、お客様との信頼を築くうえで非常に効果的なスキルです。
連絡を怠ると、「ちゃんと動いているの?」「本当に対応してくれているの?」といった懐疑的な感情を呼び起こします。結果としてイメージダウンにつながってしまいます。
営業という仕事では、成果につながる大きな要素が人間関係やコミュニケーションの質にあります。
こまめな連絡を習慣化することで、お客様とのやり取りを円滑にしましょう。
その先に、安心感と信頼感を得られるようになるでしょう。
【追記】
- 状況が二転三転するケースでも、進捗を断続的に共有しましょう。
お客様との間に認識のギャップが生じにくくなります。 - 忙しい時こそ連絡が後回しになりがちですが、その分しっかりスケジュールに組み込みましょう。
意識して連絡頻度を保つのがプロとしての仕事です。
ちょっとした連絡のひと手間がお客様との関係性を大きく育てる鍵となります。
ぜひ日々の営業活動に取り入れてみてください。
以上、「こまめな連絡技術」でした。