商談の場で相手の反応が極端に薄いと、「興味がないのでは?」と不安になってしまいますよね。
しかし、反応の薄さは必ずしも「契約しない」サインではありません。
むしろ、静かに聞いているだけで実は前向きに検討しているケースもあります。(逆もしかり)
本記事では、商談相手のリアクションが少ないときに営業担当者が意識すべき心構えと、状況を打開するための具体的なアプローチ方法をご紹介します。
1. 反応が薄いことに動揺しない
商談中、相手がまったく質問をしてこない、リアクションがない、関心を示さないように見える。
これはBtoB、BtoCいずれの商談でも起こり得る場面ではないでしょうか。
ここでまず大切なのは「動揺しない」ことです。
リアクションが薄いお客様の中には、実際には興味があっても口を挟まずに最後まで聞きたい、という方も一定数いらっしゃいます。
ですので、こちらとしては「反応が薄い=興味がない」と決めつけず、あわてて話を飛ばしたり端折ったりしないようにしましょう。辛抱強く丁寧に説明を続けることが大切です。
2. うまくリアクションを引き出す質問をする
とはいっても、相手の反応が薄いと営業としては辛いものです。
その場合はこちらから具体的な質問を投げかけてみるのも有効です。
たとえば、次のような質問をしてみましょう。
- 「何かご質問はございますか?」
- 「同業他社ではこのように活用いただいていますが、御社の場合はいかがでしょうか?」
- ○○様はお困りごとはございませんでしょうか?
私の場合は、市場調査の提案をしていますので、「他者製品の動向は気になりませんか?」「市場の今後のトレンド推移は注目されていますか?」「上司から市場動向の分析を頼まれて困っていませんか?」といった、市場調査をしたい人が誰もが持っている悩みをあえて質問するようにしています。
ストレートに問いかけをすることで、相手にも回答する機会が生まれます。
こうした質問をすると、相手が心の中で抱えていた疑問や興味に気づいて回答してくれるかもしれません。
ここで反応があれば、次のステップへ具体的に話を進められます。

特に初回の商談での相手の反応は「良くても悪くてもあまり気にしない」。くらいの気持ちで大丈夫です。
3. 無理に引き出せない場合はフィードバックを後日お願いする
それでも何らかの事情で、その場ではリアクションが得られないこともあります。
たとえば、相手は社内の調整が必要で「自分ひとりで判断できない」「上司や他部署の意見をまとめてからでないと言えない」というケースです。
そのようなときは、「後日フィードバックをいただけますと幸いです」と伝えるのがおすすめです。
無理に質問をしても、反応が薄い時は押しすぎに後日に改めましょう。
商談の最後にフィードバックのリクエストをしておけば、相手も負担なくフィードバックをしやすくなります。
4. 反応の薄さが成約可能性を示すわけではない
私の営業活動の経験上、リアクションが非常に良くても契約に至らないケースもあれば、逆にリアクションが薄かったにもかかわらず後日いきなり「前向きに進めたい」と一気に話が進むこともあります。
つまり、反応の薄さ=契約見込みが低いとは必ずしも言えません。
一見クールなタイプの方や、商談の際はあまり表情を変えない方もいらっしゃいますので、表面的な反応に過度に振り回されないよう気をつけましょう。
逆も然りで、初回の商談で「前向きに検討したい」という人は要注意です。
その人はただ単に「自分が欲しい」と思っているだけで、社内での予算感や導入のプロセスについて全く知らない、といったこともあります。商談で営業に期待を持たせるだけで、その後全く連絡が取れない。なんてこともありますので、注意しましょう。
5. 追加のポイント:事前の下準備で薄い反応を回避しよう
最後に、商談で相手の反応が薄くなる可能性を減らすための事前準備についても触れます。
- 事前情報のリサーチ
企業や相手の担当者が置かれている状況をあらかじめリサーチしましょう。相手が興味を持ちそうなポイントに合わせてプレゼンテーションができます。相手にとって「自分ごと」と感じられる提案になれば、自然と質問も増えます。 - お客様目線でのアジェンダ作り
商談の進行が自社中心の話ばかりになっていないか確認しましょう。
お客様が求めている情報やメリットを中心に、順序立てて話を展開すると、興味を引きやすくなります。 - リアクションを得やすい仕掛け
説明の合間に実際の顧客の活用事例を提示しましょう。
また、その場でサービスや商品を「実際に触っていただく」といった相手がフィードバックを返しやすい環境を作るのも効果的です。
まとめ
商談中に相手のリアクションが薄い場合でも、必ずしも否定的なわけではありません。
大切なのは、
- 動揺せずに最後までしっかり説明を続ける
- 具体的な質問を投げかけてリアクションを促す
- その場で反応が得られなくても後日フィードバックを依頼する
- 反応の薄さと成約可能性は必ずしも比例しない
といったポイントを押さえることです。
あらかじめ相手のニーズや状況をリサーチし、商談の段取りを工夫しておけば、相手が自然に興味を示しやすい環境を作ることができます。
ぜひ今回ご紹介した方法を取り入れて、クールなお客様にも動じない安定した商談を実現してください。
以上、「商談中に反応が薄い相手への対応策」でした。